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つよぽんの父ちゃん、狂犬アルツの独りごと

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トラ車のクラッチについて考えるシリーズ3


よく繋がるクラッチとは?と考えた時、よく繋がるクラッチを定義しないと話がぼやけてしまいます。

クラッチを全繋にした時、つまりクラッチレバーから完全に指を離した時に繋がるクラッチは

クラッチ板とフリクションプレートを押し付けているバネの力で決まります。

オイルとクラッチ板とフリクションプレートを一定にして、バネの強さを弱いバネから強いバネに換えると

バネの力に比例してクラッチは良く繋がる様になります。摩擦係数を一定にして荷重を増やしていけば

クラッチの伝達可能なトルクはバネの力に比例して大きくなるからです。


次に半クラ状態が短いクラッチにしたい場合。

先ずクラッチ板とフリクションプレートの平面度が0.1mmだったとします。平面度とは真っ平らな定盤面に

クラッチ板やフリクションプレートを置いた時、定盤との間に最大0.1mmの隙間が有る場合を言います。

この平面度のクラッチ板とフリクションプレートが10枚セットだったとします。その場合0.1mm×10枚=1mmの半クラが物理的に発生します。クラッチ板とフリクションプレートを押し付けているバネが1mm伸びる間は

半クラ状態が発生します。なので半クラの領域が長いと感じるライダーは平面度の良いフリクションプレート

とクラッチ板を選定して組み込むと半クラの領域を減らせます。

フリクションプレートは摩擦材を焼結した後、両面研磨してあるので平面度は良いですがクラッチ板はプレスで打ち抜きなのでフリクションプレートに比べると悪い傾向にあります。小ロット生産のためにレーザー等で

切った場合は熱が入るためもっと悪く成りがちですが最近の高速切断では入熱量が少なく出来る為、比較的良いですね。そして前回も書きましたがフリクションプレートの摩擦材と摩擦材の隙間である油溜まりを少なくする事が重要です。これで半クラ領域は減らせます。これは良く切れるクラッチとも言えます。


じゃぁ、ここで疑問が沸いてきます。クラッチ板とフリクションプレートを5枚セットにしたら半クラ状態を半減できるのでは無いのか?   まさにその通りなのです。Betaは6枚のフリクションプレートが入っていますがダイヤフラムって呼ばれるクラッチはどのメーカーのバイクも3枚のフリクションプレートです。

じゃぁ3枚で良いのか?6枚要らないのか?とまた疑問が沸いてきます。GASGASもシェルコもダイヤフラムにする前は3枚では無かったんじゃないかなぁ。6枚とか5枚は入ってたんじゃなかってけ?と思うんです。

じゃぁ何故ダイヤフラムクラッチは3枚しか入って無いのかと言うと入れられ無いのではないかと私は思います。ここからは私が思っただけの話なので事実は違うかも分かりませんので悪しからず。


一般にその辺を走っている自動車はダイヤフラムの乾式単板型クラッチですが、ぱっと見トラ車のダイヤフラムクラッチとよく似ています。でもトラ車とは大きく違うのです。トラ車のは皿バネでクラッチ板とフリクションプレートを押し付けていますが、自動車には皿バネは有りません。自動車はダイヤフラムがバネです。ダイヤフラムを撓ませてクラッチを切るためには容赦なく大きなレバーのてこが車には付いています。トラ車は自動車のダイヤフラムに似た板をてこにして皿バネを撓ませています。皿バネは撓ませるのに大きな力が必要ですが、たわみ量は極わずかです。私が知っている皿バネの使用例は工作機械の主軸です。工具をチャッキングするのに使っていますが、ストロークを持たせるには何枚もの皿バネを重ねてとっても多くのスペースを必要とする機構に成っていますがトラ車のは1枚の皿バネですから多くの枚数のプレートのクラッチを完全に引きずり無しで切る事が出来ないからでは無いのか?と思う訳です。また、皿バネを撓ませるには大きな力が要るので直接クラッチポンプで押すには無理が有る為、てこで力を増幅させているのだと思います。

そして、更に皿バネのストロークが無いのでクラッチ板やフリクションプレートが減ると、てこ比が大きく変化してレバーのタッチも変化するんじゃ無いのか?って思う訳です。

じゃぁ何にもダイヤフラム式トラ車クラッチって良い事無いじゃん!って事に成りますよね。

でも良い事は有るんです。事実として今のクランクケースの幅は凄く狭く成っています。軽量コンパクトに仕上がっています。軽さこそ命、軽さこそセールスポイントとしているメーカーなら採用したくなる機構ですよね。しかし、フェード現象が起こり難く安定した性能が出せるクラッチか?と疑問が残りますが、ノンストップルールならフェードが起きるセクションって無いですね。セクション設定が変わるとかルールが変わるとかで、メーカーの設計思想も変わってくると思います。


私の愛するBetaも次期モデルはダイヤフラムに成るかも分からないのでダイヤフラムの悪口ばっかりも言ってられませんが、今のままでは駄目ですね。私が上げたネガな部分をキャッチアップして進化した物が出て来る事を期待します。






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