トラ車のクラッチを考えるシリーズ4
上手なライダーのバイクのクラッチレバーを握ってみたら滅茶苦茶硬いやん!って思った事が有る人は多いと思います。それは何故硬いのでしょうか?もうお分かりの人が多いと思いますが一応説明しますと、フリクションプレートとクラッチ板を押し付けているバネを強くしているからですね。
では何故バネを強くしているかと言うと高いステアで当たり負けしてクラッチが滑らないようにしているんですよね。そして、マスターシリンダーのボア径とクラッチポンプのボア径がノーマルのままなら、レバーに加えなければ成らない力はバネを撓ませる反力として、バネの力に比例して大きくなるからですね。
でもIASと言えどもレバー操作が軽いに越した事は有りません。ではどうやって軽くするのか?
①レバーの支点の位置を変えてレバー比を大きくする。
②マスターシリンダーのボア径を大きくする。
③クラッチポンプのボア径を大きくする。
が容易に考え付く対策案ですがどれもクラッチを切る方向のストロークを短くしてしまいます。
つまり、切れにくいクラッチに成ってしまうのと半クラ領域が増えてしまうことがライダーの好みに合うのかと言う問題が残ります。クラッチポンプのボア径を小さくするとストロークが増えるので半クラ領域が小さく成って切れは良く成りますが半クラがシビアな操作に成ります。繋がりは、あくまでもバネの力で決まりますからレバー操作が重くなるだけで繋がりが強く成る事は有りません。それが中学校で習うパスカルの原理です。そして、息子はイタリアのファクトリーライダー達が使っていたクラッチポンプも使ってみましたが大金を払って自分の設計したクラッチポンプを径違いで幾つか作ってみました。結果、息子が何を使っているかは企業秘密ですが、ここで私が勉強したことは産業機械の設計の常識は通用しないと言う事でした。寿命よりも優先することはフリクションを極力排除するって事でしたね。
レバー操作が硬く成るって事は油圧クラッチだから、クラッチポンプからホースを介してマスターシリンダー内の油圧の圧が高まるって事です。クラッチポンプは一応Oリングが入っているので漏れは有りません。
しかし、マスターシリンダーはピストンのレバーで押される側にはOリングが入っているので外部にフルードが漏れる事は有りませんがホース側はOリングでは無くてカップでシールしています。これは又、想像の世界ですがフリクションとの戦いをしている訳でしょう。強化したバネで油圧が高まると漏れが発生しているのでは無いかと私は思っています。漏れが発生すると半クラ状態をキープする際、段々とレバーを深く握らないとキープできなく成ると言う現象が発生する事が想像できます。この漏れは内部リークですから外には漏れてきません。漏れたフルードはマスターシリンダーのタンクに戻ります。漏れの無いようにカップでは無くてOリングに、こちらもした場合フリクションによりレバーをスパッと離してもピストンはゆっくりとしか戻って来ないためクラッチの繋がりに時間が掛かりますから、半クラ領域が増えた様な状況に成るのだと思います。思うだけで証拠は有りません。
なので繋がりを強くしたいからってバネを強くすれば良いってものでは無いようです。と言うのが経験から来る私の仮説です。
私の様な一般ライダーは全てノーマル、標準で何の問題も有りません。フリクションプレートが3枚だったとしてもフェードは起こらないでしょうね。フレームにしても私では叩き折る程の負荷を掛けるライディングは出来ません。じゃあここまで考えて来た事は意味無いのか?って。そんな事は有りません。一般のライダーはメンテナンスをしません。してるって言う人居ると思いますが、IASシングルゼッケンのバイクほど、ばらしたり、交換したりはしていませんよね。つまり丈夫なバイクを買えば一般ライダーはメンテナンスのインターバルを伸ばせるって事に成ります。という事はメンテに掛かる費用を節約出来るって事です。中古車に成った時の価値が落ちないと言えます。
RTLとBeta以外は乗った経験が短時間なので分かりませんが、Betaに限って言えばファクトリーモデルの300ならノーマルでIASに成るまで余裕で使えます。知らんけど。って独り言やからね。
Commentaires